虹にまつわる話
あの子たちは、それをみつけることができたのだろうか?
夕方、運転中、雨あがりの空に虹をみた。
四万十川のむこう岸から、こちら岸の山のむこうにかかる大きな虹だ。
おかみさん市のおかみさんから聞いた話をおもいだした。
おかみさんが少女の頃の思い出話。
夏、小学校の友だちといっしょに沈下橋のたもとで泳いでいた。
夕立ちがきたので、皆、家に帰ることにした。
沈下橋を渡ったところで雨がやんだ。
ふりかえると、むこう岸の橋のたもとから、こちら岸の遠い山にかけて大きな虹がかかっていた。
みなで夕空をあおぎみた。
「みんな、あの虹をつかみにいこう」
だれかがそう叫んだ。
沈下橋のむこうへいったら虹をつかむことができる。
だれもがそう思った。
みなで沈下橋を駆けた。
(野菜集荷人 斉藤)



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